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国や地方自治体は、二言目には「外国人インバウンドを呼び込みたい」と。国は「2020 年、訪日外国人旅行者を4千万人にする」と言っています。今後はラグビーワールドカップ2019、カジノ法案、2020東京オリンピック・パラリンピック、2025大阪・関西万博が控えていて、共通するのが日本の伝統文化を外国人に見せようということです。日本人はリオのカーニバルなど海外の有名なお祭りをよく知っていますが、外国人にとっては日本のお祭りの認知度はまだ低いと感じています。お祭りは、外国人にとって非常に強い日本文化を体験できるコンテンツであり、実際に日本文化に触れ合える貴重な機会となります。日本は世界一のお祭り大国なので、外国人が日本に来る目的がお祭りになったらいいなと思っています。昨今、人気のあるお祭りには三つの特徴があります。まずはご飯が美味しいこと。飲食が美味しくない所に人は集まりません。お神輿を担ぐとき15 分おきぐらいに休憩所がありますが、人気のあるお神輿はそこのご飯が豪華です。「人間、食に引き付けられるんだなぁ」と思います。次に写真映えも重要です。三つ目は参加型であること。見ているだけでなく一緒に参加できるお祭りが人気で、近年ブームになってきているのが盆踊りです。今後は、昔から身近ではあるお祭りを、もっともっと身近なものにしたいと思っています。お祭りは無料ですし、動物園や映画館に行くのと同じぐらいのレジャーの一つになって欲しい。どうせなら「お祭りをやっている温泉に行こう!」とか。さらに、お祭りという日本の伝統文化を残すことによってコミュニティーを残していきたいです。お祭りとコミュニティーは一心同体。お祭りがなくなってしまうと、きっとそのコミュニティーもなくなってしまうでしょう。お祭りには地域復興につながる力があります。お祭は一人ではできませんし、日本を盛り上げるのも一人ではできない。だったらみんなで盛り上げたい。そこで、お祭りの知識や経験が豊富な人たちと一緒に「お祭りサミット」をやりたいと思っています。「お祭り未来会議」という名前まで考えました。お祭りは人で成り立っているものなので、どうやったらコミュニティーの人たち、市民の人たちを盛り上げることができるのかを日々考えています。青森ねぶた祭り(写真:加藤優子)加藤優子KATO Yukoプロフィール1987年、東京都出身。地域自治体のお祭りプロデュース、ツアー企画、デザイン、広報活動など、お祭り運営全般を行う。2011年、青森ねぶた祭りでオマツリジャパンのアイディアを思いつく。2012年、武蔵野美術大学油絵科卒業。日本の伝統文化好きが高じて、漬物メーカーに就職し、商品開発とパッケージデザインを担当。同年、オマツリジャパンフェイスブックページ立ち上げ。「祭の企画アイディアと運営の人手がほしい」という地域のニーズが多くあるため、オマツリジャパンを本格スタートさせることを決意し、2014 年退職、任意団体オマツリジャパンを立ち上げる。2015 年、オマツリジャパン株式会社とし、代表取締役就任。雑誌やメディアでの掲載、講演会は多数。好きなお祭りは青森ねぶた祭り。Civil Engineering Consultant VOL.284 July 2019 005