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Consultant285

010 Civil Engineering Consultant VOL.285 October 2019たとえ目標を確立しても、その目標が本人のスキルや要望に見合っていなければ、目標に現実味を感じられず、結局モチベーションを低下させるものになってしまいます。目標を立てる際は、社員の持つスキルをしっかりと把握し、本人の要望も踏まえながら、少し難易度が高くても実現可能な範囲のものを設定しましょう。そもそも、「職場に覇気がない」状態もモチベーションを下げます。チームや組織全体にやる気が感じられない中で、自分だけがモチベーションを上げて仕事に励むというのは、かなりエネルギーの要る作業です。管理者やリーダーはしっかりチームや組織に目を向け、その状態を把握しておく事が重要です。そして、いくら仕事に励んでも、その努力や成果について「正しく評価されていない」のであれば、自己重要感が減少し、モチベーションも低下してしまいます。人材不足の今、人材は最も重要な経営資源です。企業側はしっかりと適正な評価体制を確立し、社員一人ひとりの能力を最大化する努力が必要です。「心身の疲労の蓄積」もモチベーションに影響します。いわゆる「働き過ぎ」の状態です。いくらモチベーション高く仕事に励んでいても、その仕事でキャパシティをオーバーしてしまい、過剰な労働を強いられてしまっては、十分な休暇も睡眠も取れず、次第に心身を蝕んでしまいます。社員のキャパシティに合った仕事量を与え、まめな進捗確認や残業状況などのチェックが必要です。仕事で何度も「失敗を繰り返してしまう」のも悪影響です。この場合、頭ごなしに叱責する事が解決策ではありません。まずはその失敗をどう解決するのか、その失敗を繰り返さないためにはどのような対策が必要か、そして失敗を今後にどう活かすのかを、社員と一緒に考え、具体化する事が重要です。モチベーションを上げる具体的な方法では、具体的にモチベーションを上げるにはどうしたらよいのでしょうか。まず、業務について「定期的に振り返りを行う」事が重要です。その上で、多忙により社員のモチベーションが下がっているなら、余計な仕事に時間と労力を割いていないかチェックします。たとえば、会議の度に資料作成をする慣例があったとしても、それが社員の負担になっているなら、思い切ってこの作業をカットする事も大事です。不要な仕事をなくして重要な仕事に集中できる環境を作り、本来の仕事への意欲を取り戻します。次に、「企業の理念やビジョンを共有する」のも大切です。自分がしている仕事がどう役に立っているのかが分からないと、目標を見失いやる気を失いやすくなります。企業として一つのビジョンを実現させようとしているなら、そのビジョンを社員と常に共有するようにしましょう。個々の社員の仕事が企業の大きなビジョンを支えているのだと意識させる事で、社員のモチベーションが上がります。また、「貢献度を目に見える形で示す」のも有効です。企業の中で社員がやる気を起こして仕事をするには、「自分の仕事が会社や社会に貢献している」と実感できる事が必要です。自分の仕事が誰かの役に立っているという貢献の意識がモチベーションをアップさせます。ポイントは貢献度を見える形で示す事です。成果を数値で示したり、表彰したりするのもよいでしょう。評価する際には、「なぜ良かったのか」「どう役立ったのか」を具体的に伝える事も重要です。さらに、「パフォーマンス目標とマスタリー目標を設定する」のも有効です。目標設定の際、パフォーマンス目標(成果を重視する目標)だけではなく、マスタリー目標(本人の能力やスキルの向上を重視する目標)も併せて・社員が仕事に魅力を感じていない・仕事の目標が明確でない・仕事の目標が適正でない・職場に覇気がない・正しく評価されていない・心身の疲労の蓄積・失敗を繰り返してしまう・不要な仕事をカット・企業の理念やビジョンを共有する・貢献度を目に見える形で示す・パフォーマンス目標とマスタリー目標を設定する・プロセスを重視する表2  モチベーションが下がる要因表3  モチベーションを上げる方法