ブックタイトルConsultant285

ページ
15/56

このページは Consultant285 の電子ブックに掲載されている15ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

Consultant285

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

Consultant285

Civil Engineering Consultant VOL.285 October 2019 0132016 年に「健康経営優良法人認定制度」を創設しました。健康経営に取組む法人を認定、公表することで、従業員や求職者、関係企業や金融機関等から社会的に評価を受けることができる環境を整備することが目的です。個人としての取組み 身体編私たちは年に一度は健康診断を受けています。しかし皆さま、受けっぱなしになっていませんか? 健康診断で要精査・要再検査と判定されたら医療機関を受診しましょう。私は、以前、様々な企業の産業医として、また臨床医として病院で働いてきました。血圧が高いまま放置して脳卒中を発症する方々や、胃バリウム検査で要精査判定を受けても、あるいは便潜血陽性を指摘されても病院に行かず、「がん」が進行した状態で発見される方々を診てきて、非常にこころが痛んだ経験があります。「若い時から気をつけていたら良かった」と呟かれるのをしばしば耳にしました。やはり一緒に働く仲間が倒れるのを見たくはありません。最近の研究では、日頃の生活習慣の改善により、脳卒中や心筋梗塞のみならず、「がん」も予防ができるとわかってきています。「がん」は予防する時代私たちは、2人に1人が一生のうち一度は「がん」になり、3人に1人が「がん」で死亡するという時代に生きています。まず、「がん」は早期発見し、治療することが大切です。2019 年4月、国立がん研究センターから全部位全臨床病期(どんな状態のどんな「がん」も含む)の5年相対生存率は67.9%と発表されました。生存率は早期発見技術や治療法の進歩により改善しています。一方、予防することも重要となってきました。国立がん研究センターは、5つの生活習慣を改善することで「がん」リスクがほぼ半減するとの調査結果を公表しました。その5つとは「禁煙」「節酒」「食生活」「運動」「適正体重の維持」です。一つひとつは決して特別なことではありませんが、実践するのに困難を感じる方もおられると思います。では、具体的に見ていきましょう。① たばこは吸わない、他人のたばこの煙を避けるたばこは肺がんに限らず、多くの「がん」に関連します。「がん」だけではなく肺気腫という呼吸器の病気の原因にもなります。ご自身の意志だけでたばこを止めることが困難な場合、禁煙外来を受診し、ご相談されることをお勧めいたします。② 節酒する飲酒によって「がん」のリスクが高くなります。特に飲酒は食道がん、大腸がんと強い関連があります。女性の場合、乳がんとの関連も指摘されています。飲む場合は純エタノール量換算で1日あたり約20g程度までとしましょう。もちろん、週に2日は休肝日を設ける必要があります。それぞれのお酒の目安ですが、日本酒なら1合、ビールなら中瓶1本(500ml)、焼酎なら2/3合、ウィスキーならダブル1杯、ワインなら200mlまでとなります。ご注意すべきことはこの中の一つだけとなることです。時々、前記を全部飲んで「飲酒量を守っています!」という方がおられますが……。お酒を飲まれる方にとっては少ないと感じられると思いますが、これが適図3 適度な一日あたりの飲酒量(出典:suntory drink smart)図2 日本工営における健康経営の取組み