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Consultant285
Civil Engineering Consultant VOL.285 October 2019 029自己研鑽が目的である以上、いずれのスタイルを選ぶにしても、自らが保有する一般技術の範囲内で社会貢献活動を実施する「ボランティア」の範囲に留まるのではなく、できうる限りの技術力を業務レベルで提供し、さらなる技術開発や先進事例の育成に寄与するような「プロボノ」としての取り組みを行えるフィールドを見出すことが重要となる。東京都板橋区加賀のまちづくり東京都板橋区加賀のまちは、加賀前田藩下屋敷の跡地に、戦前に陸軍兵器工場が整備され、戦後に大規模な工場・研究施設・大学等が建ち並んでいた。さらにバブル崩壊以降は工場・研究施設の移転とともに大規模マンション開発が継続的に発生する等、めまぐるしい土地利用転換の歴史を有する地区である(図1)。加賀地区のまちづくりは今から四半世紀以上前の平成4 年に始まり、バブル崩壊以降の土地利用転換動向を見据えた良好なまちづくりを目指し、地元企業・住民が行政と協働して協議会活動が始まった。加賀地区との関わり私が加賀のまちと関わりを持った最初のきっかけは、都市計画コンサルタントとしてまちづくり計画の策定支援業務を担当したことである。都市計画分野におけるまちづくりの業務では特記仕様に収まらない、地元の方の多岐に渡る悩みや相談を直接伺うことが多い。行政担当課においても、所管する事務分掌以外の問い合わせが多くなる傾向にある。そういった中、業務外においても、地元の要望に応じて様々なまちづくりの相談に対応していたことを記憶している。特に私が担当した時期は、大規模マンション開発が立て続けに始まり、本来の地区計画の議論の時間を圧迫するほど個別の開発計画協議に時間を要した(写真1)。写真1 加賀まちづくり協議会における計画協議と整備例(敷地内通路の連続性確保に関する協議と整備)図1 加賀のまちの歴史(めまぐるしい土地利用)加賀前田藩下屋敷として戦後の工場・研究所立地と更なる土地利用転換(マンション開発等)火薬製造所・軍事工場として