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Consultant285

002 Civil Engineering Consultant VOL.285 October 2019今月号のテーマが「挑戦」とのことであり、プローブデータを例に、ビッグデータの活用への挑戦事例を個人的な経験から述べてみたい。なお、プローブデータとは、端的に言えば自動車に搭載された各種センサー(搭乗する人のスマホなども当然センサーになり得る)を通じて得られた、位置、加速度、時刻などのデータの集合体のことである。スマホに、「あなたは昨日□□へ行きました」とか、「あなたの購入履歴から△△をおすすめします」といった情報(過剰なor 余計な?)が出るのが当たり前の世の中になってきた。個人的には、このような個人情報がどこまで把握され、どこまで売買の対象になっているのか複雑な思いもある。しかし、若い世代は利便性を優先するので、この種の個人情報の利活用にはあまり反感を持っていないとの記事も多いようである。こうした個人の活動履歴のようなデータが、広域・長期間にわたり収集され、ビッグデータとして様々なマーケッティングに大いに活用されているのは周知の通りである。ごく最近までは、この種のビッグデータが有用で、売れるものだとはほとんどの人が思っていなかったはずであり、これが宝の山になると最初に気がついた人は偉大であると思う。一方、GAFA(Google、Amazon.com、Facebook、Apple Inc.の4つの主要IT企業の総称)のデータ・市場寡占や個人情報保護など多くの問題をもたらしており、未解決の課題が多いことも事実である。道路交通の関係では、ビッグデータとしてプローブデータが注目されていて、交通計画を始め、沿道施設の立地計画や、車の保険など多くの分野で活用が期待され、幾つかの分野では実際に活用が開始されている。プローブデータは、現在では、自動車、タクシー、損害保険、地図・駐車場などの多くの企業が、それぞれの手段(カーナビ、デジタルタコメーター、利用者のスマホなど)などを通じて取得しており、現時点で調べただけで約20 種類のプローブデータが市場に有償で提供されている。その利用目的は1951年、神奈川県出身。1974 年東京大学工学部卒業。同年、建設省(現国土交通省)入省。1978 年12月、イリノイ大学M.S.Dept of Civil Engineering。国土交通省中部地方整備局長、道路局長を歴任。国土交通省時代は公共分野の民営化、社会資本の費用対効果分析、道路の料金施策などに取り組む。その後、愛知工業大学客員教授、筑波大学客員教授を務める。現在、公益社団法人日本道路協会会長、一般財団法人I TS サービス高度化機構理事長、一般社団法人建設コンサルタンツ協会理事。ビッグデータ活用への挑戦論・説提言このコーナーでは「日本が目指すべき姿と社会のあり方、そこで必要とされるインフラと実現に向けた方策、そして第14回その際に果たすべき建設コンサルタントの役割とは」をテーマに、各専門分野の視点からの提言を掲載しています。語り手金井 道夫(KANAI Michio)公益社団法人日本道路協会会長一般財団法人ITSサービス高度化機構理事長一般社団法人建設コンサルタンツ協会理事図1 プローブデータの収集