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で、濁水防止措置を講じるなどの厳格な環境指導が行われています。廃棄物管理の先進的な取り組みとして、不法投棄に対する厳しい罰則の他、人口の約7割が生活するコロール州でのリサイクルセンターの運営が挙げられ、これらの取り組みは太平洋諸島地域のモデルとなっています。リサイクルセンターでは、空き缶やペットボトルの回収事業(デポジット制)、剪定ごみ等由来のコンポスト化、廃ガラスを利用した工芸品の作製等を行っています。ここの運営にも日本のODA(OfficialDevelopment Assistance:政府開発援助)が活用されています。した。透明度が高く美しいパラオの海で泳ぎ、昼食には釣れた魚の刺身やグリル、現地食であるタロイモ、鶏の蒸し焼きが振る舞われました。絵に描いたような南の島の砂浜や、目の前を泳ぐナポレオンフィッシュに非常に感動しました。ただ、一日海の上にいたため日焼けで大変なことになりました。遊びに行かれる方は日焼け対策を十分にされることをおすすめします。戦争の爪痕第一次大戦後から日本の委任統治領だったパラオは、第二次世界大戦で激戦地のひとつとなりました。1944 年の「ペリリュー島の戦い」においては、多くの日本軍の戦死者を出した場所でもあり、島内には多くの戦争遺物がみられます。処分場計画地は旧日本軍の防空施設だったようで、多くの弾丸、対空砲及び防空壕が確認されました。それらの弾丸と対空砲は戦争遺物として、今後建設される処分場に展示されることになっています。ちなみに、パラオの現地語として「大丈夫」「つかれなおす(ビールの意)」など日本語が使われていることが知られていますが、実はスペイン語の言葉も多くあり、イントネーションはドイツ語に近いそうです。これは、16世紀からの植民地や統治の歴史(スペイン、ドイツ、日本、アメリカ)により生じたからといえます。戦争遺物を多く残してしまった日本ですが、幸いにもパラオは非常に親日的で、日本人は歓迎されることが多いようです。ごみ問題への先進的な取り組み貴重な観光資源である豊かな自然を守るため、パラオでは環境保全活動や廃棄物管理について先進的な取り組みが行われています。過去には、パラオ最大の島であるバベルダオブ島周回道路の建設時に大量の赤土が海洋に流出し、大きな環境問題が発生したそうです。これらのことを教訓として、私が携わったプロジェクトを含め、公共工事は環境保護委員会の監督の下写真2 パラオの海で泳ぐ写真3 ボートで島巡り写真4 海での昼食写真5  プロジェクトサイトからみつかった戦争遺物(対空砲)Civil Engineering Consultant VOL.285 October 2019 043