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008 Civil Engineering Consultant VOL.287 April 2020珈琲の飲用と栽培の伝播珈琲の実は、6世紀頃からアビシニヤ(現エチオピア)で野生種が採集されていた。人為的に小さな畑で植え始めたのは、14世紀にアラビアの医師だとされている。珈琲が飲料とされたのは、回教徒諸国でのワイン代わりに始まり、後には薬用として、また僧侶の眠気覚まし用として普及した。この珈琲がヨーロッパに伝わったのは、大航海時代の15~16世紀であった。それでも各地への栽培が広がらなかったのは、種子を煮え湯に浸したり、炒ったりして生豆の発芽を抑えたためと思われる。これは他で栽培をできなくし、珈琲の利益を独占するためだった。ヨーロッパへの豆の伝播は、アラブ人やベニス商人によってもたらされ、1625年に初めてローマで珈琲豆が売1 珈琲の起源と普及の背景廣瀬 幸雄HIROSE Yukio特 集コーヒー/カフェ/まち金沢大学名誉教授日本コーヒー文化学会会長珈琲の始まりは嗜好品ではなく、薬用や眠気覚ましとして普及していった。現在のような飲み物となった背景には、焙煎や抽出器具、粉砕などの技術発展があったためである。珈琲が普及した歴史的な背景と技術の変遷について知る。図1 アラビカコーヒーの伝播アムステルダムイエメンモカエチオピアレユニオンマルチニックキャナジャワ1699160017061859172718591723 171817061717-8