ブックタイトルConsultant287

ページ
23/86

このページは Consultant287 の電子ブックに掲載されている23ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

Consultant287

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

Consultant287

Civil Engineering Consultant VOL.287 April 2020 021・基本性能=「飲食の提供」「場の提供」これは自宅でもでき、自室に飲食を持ち込めば「部屋カフェ」ですが、それとは質が違います。東京の例でいえば、神保町「さぼうる」、四ツ谷「ロン」、原宿や自由が丘の「アンセーニュダングル」などの個人店、大手は「スターバックス」も基本性能がきちんとしています。・ 付加価値=(例)「十数種類の豆のコーヒーが美味」「落着ける店内」「接客が心地よい店舗スタッフ」こちらはいくつか揃っているのが人気店となります。例えばコーヒーがおいしいだけでなく、豆を買うこともできる。日本橋や軽井沢に店がある「ミカドコーヒー」、茨城県や東京都に店がある「サザコーヒー」などは豆売りでも人気。200g1,500円のサザコーヒー「徳川将軍珈琲」というコーヒー豆は、驚くほど売れます。町のうるおいとしての「カフェ」みなさんの中にも、行きつけの喫茶店・カフェを持つ人はいるでしょう。スターバックスやドトール、タリーズは便利ですが、“ぬくもり感”では個人店が上回ります。2012年と2019 年、日本各地の店に行き、このことを痛感しました。2012年は、東日本大震災後の仮設プレハブで営業を再開した宮城県気仙沼市の「アンカーコーヒー」の取材でした。その入口で会った女性2人組は、「やっとコーヒーを飲める状況になったので、震災後初めて来ました。以前はカフェラテをよく飲んでいたけど、今日は抹茶ラテでしたけどね」と話して笑顔を浮かべました。被災した2人は、それまで後片付けに追われて、ゆっくりコーヒーを楽しめる状況になかった。1年近く経ち、ようやくその時間を手に入れたのです。2019 年に訪れたのは、例えば東京・上野の「マドンナー」と「珈琲王城」、そして目黒の「ITOHya」など。いずれも半世紀以上営業する店のようで、特に上野の2店は、昭和レトロ喫茶といった外観や内装でした。興味深かったのは、店内に若者が多かったこと。「インスタ映え」の視点で飲食を撮るわけでもなく、普通に会話や1人時間を楽しんでいました。また、出張で青森県弘前市、石川県金沢市にも行き写真1  「喫茶マドンナー」のバナナジュース(左)とミックスジュース(右)(2019 年9月)写真2  文化財に出店した「スターバックス コーヒー 弘前公園前店」(2019 年9月)写真3  新築したビル前に設置された「可否茶館」の記念碑(2019 年2月)