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Civil Engineering Consultant VOL.287 April 2020 025このPark-PFIでは、設置管理許可の期間が法律上最長で20 年担保され、民間事業者が公園内での事業に進出しやすくなりました。現在、まちににぎわいを創出する手法のひとつとして、全国の自治体がPark-PFIを活用しはじめています。珈琲所コメダ珈琲店の導入まで本市では、小倉都心部のにぎわいを創出し、集客交流産業の活性化の成功事例を市内の他地域に波及させることで、市全体のにぎわい創出につなげることを目的とした「都心集客アクションプラン」を平成26 年6月に策定しました。また、小倉ならではの歴史的・文化的な資源を活用した集客力や回遊性のある観光・文化の名所づくりを目的として「小倉城周辺魅力向上事業基本計画」を平成28年2月に策定しました。これらの計画には、人が集まる仕掛けとして、公共空間を活用したにぎわい創出の仕組みづくりや勝山公園の民間活力によるにぎわい強化などが示されました。その中で、勝山公園における市民ニーズを把握するため、利用者アンケートを行いました。その結果、休憩や飲食のできる場所、売店などの設置要望が約5割を占めていることがわかりました。そこで、市民ニーズに的確に応えるため、従来の公設民営ではなく民間活力を活用した施設の整備や運営方法の検討が必要であると判断し、民間事業者へのマーケットサウンディングを行ったところ、設置管理許可の年数が10 年では、投資回収期間としては短く厳しいという意見があり、事業参入に慎重な姿勢を示す事業者もありました。そのような中、改正された都市公園法が施行され、そこでは20 年の設置管理許可が法的に担保されるなど、従来の設置管理許可制度よりも有利であると判断し、Park-PFIの実施へと至りました。事業実施、オープンからその後本市におけるPark-PFIの取り組みは、全国の自治体の先陣を切るものでありました。しかしながら、それは先の見えない道への第1歩だったのです。行政の世界は良くも悪くも前例踏襲が多いのも現実です。本市では、公園での民間事業者による施設整備といった前例が少ないうえに、新しい制度であるためマニュアルやガイドラインもなく、参考にするものがありませんでした。法律と政令、省令があるのみで国の協力を仰ぎながら、これを読み解き、民間事業者の公募へ向け、募集要項等を作成し、公募対象公園施設の公募設置等指針の公示までもっていくことは、かなりの苦労がありました。図1 着工前の?外橋西側橋詰広場平面図図2 完了後の?外橋西側橋詰広場平面図