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Consultant287

026 Civil Engineering Consultant VOL.287 April 2020さぁ、事業者は来るのか? 来ないのか? 公募設置等計画の受付にはじまり、検討会が終わるまでは、事業者が無事決定されるのかドキドキしていたことを鮮明に覚えています。審査の結果、北九州市の有限会社クリーンズが、フランチャイズにより便益施設として「珈琲所コメダ珈琲店」を設置・運営することになり、担当者の努力は実ることとなりました。しかしながら、手続きはまだ終わりません。次は、公募設置等計画の認定及び公示、基本協定の締結です。これも前例がなく、国や他自治体の協力を仰ぎ、なんとか乗り越えました。いよいよ工事ですが、今回の事業地は重要な施設があること、商業地と市役所を結ぶ歩行者の主要動線ということもあり、事業箇所周辺の既存施設の撤去、インフラや周辺整備は市が行いました。多い時には市の工事3件、民間事業者の工事2件が狭い事業区域内で錯綜することもありました。工事が完了しプレオープンの式典を無事終えることができた時に、ようやく安堵できました。その甲斐もあって、オープンから1年間で約14万6千人ものお客様に来店していただき、公共空間を活用したにぎわい創出の仕組みづくりや勝山公園の民間活力によるにぎわい強化は、現時点では軌道に乗っていると感じています。無事オープンしましたが、悩みはまだ続きます。これからもにぎわいが続くためには、民間事業者には事業の認定期間として定めた20 年間頑張ってもらわなければいけません。そのため来客数や運営が順調か、日々気になるところです。行政職員が民間事業者の売り上げを気にしながら、日々を過ごす時代がくるなんて、ついこの前までは想像し得なかったことです。「呉越同舟」「一蓮托生」色々な表現がありますが、民間事業者とは、同じ公園管理者として協力しながら、公園利用者の利便増進のためにさらなる努力が必要と考えています。公園でのカフェの存在意義私は、カフェに造詣が深いわけではありませんが、勝山公園にカフェができて、良かったと感じることが3つあります。1つ目は、施設整備は民間事業者が行い、市に使用料が入ること。これは、イニシャルコストの削減もありますが、使用料の収入があることで公園が稼げる空間になり、市の財政に寄与していると思います。2つ目は、公園のにぎわい創出にカフェは有効な手段であるということです。事業者のコンセプトは「勝山公園の『くつろぐいちばんいいところ』」です。朝の散歩途中のモーニング、お昼のランチ、午後のゆったりしたひと時のコーヒー、夜の仕事終わりのコーヒー。公園でのカフェは、ゆったりとした雰囲気を十分に楽しむことができる「ゆとりの空間」を創出しつつ、それぞれの人に合わせた「くつろぎの時間」も提供してくれます。写真2、3 珈琲所コメダ珈琲店 北九州勝山公園店の夏・冬写真4 整備後の勝山公園とカフェ