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Consultant287
Civil Engineering Consultant VOL.287 April 2020 031のか」だ。つまり事業の核心となる趣旨と目的、そして理念を明確にすることにある。私が考えるコーヒー屋としての使命は幸福感を伝えること。一杯のコーヒーを通して一人でも多くの人々に小さな日々の幸福感を伝えることだと考える。「ほっと寛げる一人の時間」「友達との語らいのひと時」「静かに本や新聞に集中できる時間」。そんな日常の心安らぐ時間と空間を一杯のコーヒーと共にどうだろう。忙しい現代人が家庭でも職場でも学校でもない、自由で責任から解放されたひと時を満喫できる心の休憩時間。これが第3の場所と訳されるサードプレイスの役割である。地域コミュニティーの中心となるのは建物や場所と同様に、その中で活動する一人一人の人間から発せられる魅力、つまり人的資源の育成が最も重要だと思う。場所の魅力とはそこで働くスタッフ、ご利用くださるお客様、それを支える関係者の皆様が、価値を共有し活躍出来るライブ空間の可能性にあるのではないだろうか。その上で、どの程度のスペースで、何人のスタッフで、何人のお客様を迎えるのかを現実化し、持続可能な収支の予測を明確化することが事業計画の基礎となる。このような考え方は多くの人々が押し寄せる大型施設でも、郊外の小規模物件でも同じだと考える。与えられた環境にマッチングした事業スタイルをベストコーディネートすることで、必ず質の良いサスティナブルな場所と人のパフォーマンスが創造出来るはずだ。某有名テーマパークの魅力は建物、造作、アトラクションはもちろんだが、一番の求心力はキャラクター達とそれを支える元気で明るいスタッフにある。人と人の間にあるのが心、それこそが人間の本質ではないだろうか。その心をつなぐ媒体として、何らかの反応を起こすことが出来るもの、それがカフェで提供される本物の一杯のコーヒーの力だとしたら、我々コーヒーマンにとって最高の幸福である。<写真提供>写真1、3、4、7、9 COFFEE COLORS写真2、8 東奥日報社写真5、6 浅野文章写真7 コーヒーカラーズA-FACTORY 店写真8 荒川店での賑わいの様子写真9 一杯のコーヒーを淹れる