ブックタイトルConsultant287
- ページ
- 4/86
このページは Consultant287 の電子ブックに掲載されている4ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは Consultant287 の電子ブックに掲載されている4ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
Consultant287
002 Civil Engineering Consultant VOL.287 April 2020新型コロナウイルス感染症の影響で、東京オリンピックの開催が延期されることになりました。前回の東京オリンピックは昭和39年開催と半世紀以上前で記憶が曖昧な部分がありますが、当時のオリンピックのヒーローとして、マラソンのアベベ、女子バレーボールの日紡貝塚、体操のチャスラフスカ、水泳のショランダー等を思い出します。なかでもアベベ選手は「裸足のアベベ」として有名で、学校の運動会ではアベベ選手にあやかろうと裸足で走る悪ガキ共が沢山いました。てっきり東京オリンピックでもアベベ選手は裸足で走ったと思っていましたが、令和2年の正月にテレビで再放送された市川崑監督の『東京オリンピック』を見たら、他の2~3名の選手は裸足でしたがアベベ選手はマラソンシューズを履いて走っていました。昭和35年のローマオリンピックの裸足での優勝が記憶に残っていたのかも知れません。マラソンコースは甲州街道で、写っている見物人の服装や周辺の建物の古さが印象的です。マラソンが開催された昭和39年10月21日の東京の最高気温は20.2℃、平均気温17.9℃、平均湿度72%とそれほど厳しい気候でもなかったようですが、給水場で立ち止まって何杯も水をお替わりする選手や道端に座り込んで水を要求する選手などが写されており、10名程度の選手が途中棄権したなか、エチオピアのアベベ選手は悠々と2位以下を大きく引き離し優勝しています。エチオピアといえばコーヒーの発祥地とも言われています。コーヒーの起源等については他の方が本号の特集記事で執筆されているので省略しますが、昭和39 年当時、小生は中学1年生で、それまでは「子供がコーヒーを飲むと馬鹿になる」と言われて飲ませてもらえなかったのが、中学生になったからということで朝食時に1杯だけコーヒーを飲ませてもらえることになりました。「子供がコーヒーを飲むと馬鹿になる」というのは、たぶん、狂言の『附ぶ子す』と同様に、高価なものやおいしいものを、子供の頃から食べることを禁止するための嘘だったと思います。1951年、奈良県生まれ。1974 年、東京大学工学部土木工学科を卒業し建設省入省。中国地方整備局長、河川局長、国土交通省技監を経て2011年1月退官。同年10 月より独立行政法人水資源機構理事長(2018 年3月退任)、2019 年6月より一般財団法人国土技術研究センター理事長。応用生態工学会会長。オリンピック・コーヒー・気候変動論・説提言このコーナーでは「日本が目指すべき姿と社会のあり方、そこで必要とされるインフラと実現に向けた方策、そして第16回その際に果たすべき建設コンサルタントの役割とは」をテーマに、各専門分野の視点からの提言を掲載しています。語り手甲村 謙友(KOMURA Kenyu)一般財団法人国土技術研究センター理事長応用生態工学会会長図1 コーヒーベルトと主要なコーヒー生産国