ブックタイトルConsultant287
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Consultant287
コーヒーに出会ったのは、父がよく通っていた近所の喫茶店に連れて行ってもらった小学生の頃です。まず店内の雰囲気にすごく感動して、子どもながら憧れを持ったことを覚えています。家で食べる朝食しか知らない小学生にとっては「こんな世界があったのか」と、衝撃を受けました。さすがにその時はコーヒーを飲みませんでした。でも気になってしかたがなく、中学生になって一度友達と喫茶店に行きましたが、何かもう雰囲気にそわそわしてしまってコーヒーどころではありませんでした。高校生くらいの時にやっとちゃんと行けるようになりましたが、その頃は背伸びして、「行くぞ」と気合を入れて行く感じで、喫茶店でコーヒーをリラックスして飲めるようになったのは、高校を卒業してからですね。コーヒーへの苦手意識はなく、それよりも喫茶店への憧れや興味のほうが強かったです。かつて、大林宣彦監督の映画『野のなななのか』で高校生の役をやらせていただいた際、初めてコーヒーを飲み「苦い。でも、癖になりそう」という台詞があって、コーヒーを飲むといつもそれを思い出します。朝は必ずコーヒーから始まります。毎朝、自分で淹れながら、コーヒーの湯気で覚醒していく感じが至福の時なんです。自分で運転して撮影現場に行く時は、淹れたてのコーヒーをポットに入れ、余裕がある場合はサービスエリアなどで景色を眺めながらゆっくり飲んだりも。ただ、朝は忙しいので、コーヒーの淹れ方は雑ですよ(笑)。最初に少し蒸らしたら、あとはドボドボと。それより、コーヒーを飲むタイミングとか、シチュエーションを大切にしています。旅に出かけたら、まず喫茶店やカフェを調べます。この街ではこのカフェが一番というのを、自分の中で勝手にランキングするんです。海外でも、観光名所よりも先にカフェ。カフェは、街のすべてを表していると思っているので、その土地の文化を知るには、観光名所を見るよりも、カフェに行ったほうが早いと。カフェにどういう人たちが来ているのか、年齢層がどのくらいなのか、どのくらいの声のボリュームで話して、何を食べているのか、何をどういうふうに飲んでいるのか、誰と来コーヒー/カフェ/まち特集街を彩るエッセンス006 Civil Engineering Consultant VOL.287 April 2020