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ているのか、新聞を読む人たちなのか、どんな本を読む人たちなのか、とにかく会話をする人たちなのか、そういうことが気になります。一人でカフェに行って、その街を知り、その国の文化を知ってというのが、私の旅の第一歩なんです。日本では、基本的にはブレンドを注文します。まずは、そのお店が得意としているものをいただく。お店を紹介してください、体験させてくださいという意味でブレンドを。そして、ここのマスターはこういうのが好きなんだなぁとか、マスターの人となりを一人であれこれ想像しながら時を過ごすのが、これまた大好きなんです。ご近所のおじいさんやおばあさんがゆっくり何時間も居られるカフェや喫茶店が私の理想です。朝早くからカフェに来て、一杯のコーヒーでずっとしゃべっている。そんな光景を見ると、この街は豊かだなぁと嬉しくなります。カフェがあれば、人が集まる。街の賑わいはカフェから始まっている一面もあるのではないでしょうか。例えば銀行や病院は、基本的には行かなければいけない場所ですが、カフェは行っても行かなくてもいい場所です。行きたいと思う場所、楽しい場所、自分が行きたくて行く場所。それはその街を彩るエッセンスになるのではないでしょうか。そこは常に多くの人たちの笑顔あふれる場所になると思います。いつの日か、「私の好きな喫茶店」なんてマニアックな本とかも出版してみたいな。仕事柄、日本全国、世界各地でカフェに行く機会が多いからこそ伝えられるカフェ情報というのがある気がするし。コーヒー好きはとかくヲタク化しがちで、焙煎にこだわったり、淹れ方にこだわったり。でも、どこまでいっても嗜好品だと思うので、自由に存分にこだわれるところも面白いところだと思うんです。私なんかは「水」と「土」が気になって仕方がないんです。例えば雑誌の取材で訪ねた有田焼のドリッパーで淹れたコーヒーと、映画の撮影で行った唐津焼のドリッパーで淹れたコーヒーでは「水」が変わってるんじゃないかと。土が違うから!科学的に調べる術もないだけに、自分の中でウヒヒヒヒっと楽しむしかないんですけどね。ヲタクすぎて売れないな、そんな本(笑)。パリ、サン=ジェルマン・デ・プレのカフェ・ド・フロール(写真:飯田美樹)常盤貴子TOKIWA Takakoプロフィール1972年神奈川県出身。1991年に女優デビュー。1993 年の夏に放送された『悪魔のKI SS』で、転落する女子大生役を演じ、存在感と演技への気迫を買われ、本格的女優への道がスタート。その後、多数の主演ドラマが社会現象になるほどのヒット。代表主演作には『愛していると言ってくれ』(TBS)や、2000 年1月から放送され記録的な視聴率を樹立した『ビューティフルライフ』 (TBS)などがある。『20 世紀少年』『野のなななのか』『だれかの木琴』など多くの映画にも出演。CM や舞台、ナレーションなど活動は多岐にわたる。2020 年1月に発売された初のエッセイ集『まばたきのおもひで』では、喫茶店巡りが趣味であることなど、素顔が垣間見えるエピソードが綴られている。Instagram:@takakotokiwa_officialCivil Engineering Consultant VOL.287 April 2020 007