土木遺産
ヨーロッパ編
世紀を越えて生きる叡智の結晶
社団法人 建設コンサルタンツ協会『Consultant』編集部 編
ISBNコード:978-4-478-89018-9

私たちの日常生活を支える重要な存在でありながら、ふだん、意識されることの少ない土木施設。だがヨーロッパ各地には、数百年に渡って利用され続けている土木施設=土木遺産がある。その地域の歴史と技術を体現し、力強い存在感を持つこれらの土木遺産を実際に訪ねて、発案者や出資者の情熱、建設に至る経緯から、当時の技術や材料、施工方法、地形や環境を最大限に生かした技術者の創意工夫、さらに長きに渡って市民に愛され、利用されている理由までを探求。愛され続ける土木施設とは…
目 次
土木の原点、志と勇気 曽野綾子
アッピア街道 イタリア・ローマ(紀元前312年建設開始)
綿密な計算に基づいた 古代の高速道路
カナル・グランデ イタリア・ヴェネツィア(569年建設開始)
ラグーナを埋め立てた 海上都市と運河の秘密
カレル橋 チェコ・プラハ(1402年完成)
600年間、幾多の洪水に耐えた プラハ最古の橋
ランテ荘 イタリア・バニャイヤ(1590年完成)
さまざまな装置が組み込まれた 遊び心いっぱいの庭園
ティビ・ダム スペイン・アリカンテ(1594年完成)
エスパーニャ人の挑戦が生み出した 大型ダムの原点
ヴェルサイユ庭園 フランス・ヴェルサイユ(1631年建設開始)
絶対王政の下に建設された フランス式庭園の代名詞
キンデルダイク オランダ・キンデルダイク(1740年頃完成)
水と闘った知恵をしのぶ 風車による干拓の町
アイアンブリッジ イギリス・アイアンブリッジ(1781年開通)
小さな渓谷に建つ 世界初の全鉄製の橋
カール・テオドール橋 ドイツ・ハイデルベルク(1788年完成)
いくたびも架け替えられ 愛され続ける市民の誇り
サン・マルタン運河 フランス・パリ(1825年完成)
水利用と舟運用に建設され 今はパリっ子憩いの場に
鎖 橋 ハンガリー・ブダペスト(1849年完成)
水の都に架かる 重厚なる鉄の吊橋
セーヌ河岸 フランス・パリ(1853年改造開始)
厳しい規制から生まれた センスあふれる河畔景観
ゼンメリング鉄道 オーストリア・ゼンメリング(1854年完成)
標高約1000メートル アルプスを越えた世界初の鉄道
レッチワース イギリス・レッチワース(1903年建設開始)
世界初の田園都市に感じる 懐かしさの理由
大下水渠 オーストリア・ウィーン(1910年頃完成)
古都の暮らしを支える 地下の下水網
パルク・グエル スペイン・バルセロナ(1913年完成)
奇抜なデザインに隠された 自然との調和と機能美
サントル運河 ベルギー・ラ・ルヴィエール(1917年完成)
高低差のある川を 「船のエレベーター」で運航
土木遺産の楽しみかた 遺産が造られた背景やプロセスを知る喜び
篠原 修
星野知子
増田彰久
田中輝彦
巻末資料 土木遺産年表
執筆者と参考文献等一覧表
写真撮影者一覧表


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