日本の土木遺産

小樽外洋防波堤
小樽港の全容
■ 小樽港の全容

日本初の近代的防波堤「小樽港外洋防波堤」

一直線に延びる小樽港外洋防波堤
■ 一直線に延びる小樽港外洋防波堤

小樽港は、北海道西海岸のほぼ中央に位置し、高島岬に抱えられるように石狩湾を望む重要港湾である。「小樽港外洋防波堤」はこの港域面積5,704千m2、防波堤内面積3,308千m2の港の沖合に一直線に横たわり、港域と外海を見事に遮って守っている。
小樽港外洋防波堤の基本部分は、明治中期から大正にかけての2期に及ぶ工事で完成している。第1期工事は、1897〜1908年にかけて行われ、北防波堤1,289mが築造された。第2期工事は、1908〜1921年の間で、南防波堤912mと島防波堤915mが新たに築造されるとともに、北防波堤も419mが延伸された。
いまの小樽は、北のエキゾチックな港町として重要な観光都市となっている。しかし、この外洋防波堤が築かれた明治中期は、小樽を含む北海道の大部分が、「蝦夷地」から「北海道」と改称され開拓が始まってからさほど時を経ていなかった時期であり、この壮大な建設工事がいかに先見の明であったかを物語っている。
小樽市街地の南、小樽築港駅前の臨港公園にある観覧車からは、眼下に茅柴(かやしば)岬を背にした港の全容が一望できる。そして総延長約3.5km、幅約7mの壮大な構造物が、およそ100年前に築かれた事実に改めて感心させられるだろう。

【アクセス】
JR小樽駅前より中央バスで「手宮行き」乗車。「手宮」下車。先500m。徒歩10分。

【地図】
googleマップで小樽外洋防波堤の位置を確認する

「Consultant」234号

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建設コンサルタンツ協会