日本の土木遺産

満濃池
満濃池全景
■ 満濃池全景

日本最大の溜池「満濃池」

讃岐の大地を潤す命の源、満濃池
■ 讃岐の大地を潤す命の源、満濃池

香川県内の代表的な溜池は、大きな順に「満濃太郎」「神内次郎」「三谷三郎」と呼ばれ、人々の命をつなぐ溜池として地域の生活を支えてきた。満濃太郎なる満濃池は、金毘羅さんで有名な香川県琴平町に隣接する仲多度郡(なかたどぐん)まんのう町に位置する、日本最大の農業用溜池である。この溜池は、阿讃(あさん)山地を源流とする金倉川の狭窄部をアーチ型の土堰堤で堰き止めて築造され、1300年経た現在も変わらずに水を湛え、丸亀平野への水源となっている。
手を広げたような形の満濃池の貯水量は、1870年に584万6千m3だったものが、3度の嵩上げ工事によって、現在では東京ドームの12.4杯分に相当する1,540万m3を湛えるまでになった。その大きさは、土堰堤の堤長155m、堤高32m、周囲19.7km、最大水深30.14m、満水面積138.5haの規模を有するまで増大した。
満濃池は、歴史的に干ばつと洪水を繰り返した丸亀平野において、時には人々の生活の一部として稔りを与え、時には自然の猛威として人命をも奪う土堰堤の決壊を繰り返してきた。満濃池は、まさに「命の源」として、多くの人々に支えられ、現在でも大きな存在感を漂わせている。北東岸に接する丘陵地は「国営讃岐まんのう公園」として整備され、豊かな自然に人々が集う場所となっている。

【アクセス】
JR土讃線「塩入駅」下車、徒歩1.3km。またはJR土讃線「琴平駅」下車、タクシーで約15分。

【地図】
googleマップで満濃池の位置を確認する

「Consultant」234号

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