世界の土木遺産

阿里山森林鉄道(台湾・阿里山)
推進運転で登坂する森林鉄道
■ 推進運転で登坂する森林鉄道

時代と共に走り続ける「阿里山森林鉄道」

阿里山を目指す森林鉄道
■ 阿里山を目指す森林鉄道

「阿里山森林鉄道」は、インドの「ダージリン・ヒマラヤン鉄道」、チリとアルゼンチンを結ぶ「アンデス山鉄道」と並び、世界三大登山鉄道のひとつに数えられている。海抜30mの嘉義駅から海抜2,216mの阿里山駅まで標高差約2,200m、全長71.4kmを3時間30分で駆け登る、登山鉄道として世界でも数少ない貴重な森林鉄道である。日本統治時代の1910〜1913年に、豊富な木材を運搬するために建設された。
急こう配を克服するために、螺旋状(スパイラルループ)やZ字状(スイッチバック)の軌道を組み合わせ、また特殊設計の機関車を投入するなど随所に工夫がなされている。
「阿里山」は、北緯23度27分の北回帰線上にある台湾中南部の都市・嘉義の東方に位置し、玉山山脈の西方の18座の高山から形成される一支脈の総称である。標高3,952mの主峰玉山は「新高山」と呼ばれた。明治天皇により命名され、第二次世界大戦開戦時の日本海軍の暗号電文「ニイタカヤマノボレ一二〇八」の由縁となった山といわれている。
3〜4月は建設当初から植えられているソメイヨシノや八重桜が一気に開花し、最も賑わう季節である。自然豊かな景勝地でもあり、台湾国内の有数な観光スポットである。なかでも日の出・雲海・夕焼け・森林・森林鉄道の5つが観光の目玉となっている。

【アクセス】
台北駅前よりバスで嘉義へ。または「台北駅」より特急列車で「嘉義駅」。どちらもおおよそ3時間半。

【地図】
googleマップで阿里山森林鉄道の位置を確認する

「Consultant」230号

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「土木遺産II アジア編」 <<コチラにも掲載されています。
「土木遺産II アジア編」
ダイヤモンド社刊

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