中国の杭州には何百年もの間、一生に一度は見てみたい風景として憧れの的とされてきた西湖という不思議な湖がある。我が国でもこれを摸した庭園が沢山ある。規模は南北3.3km、東西2.8km、外周は約15km、面積は5.66km2である。遠景には三方を囲む山々があり、湖の東側には杭州の市街地。近景には柳と桃などの街路樹と散策道、いくつかの石橋などが配置され、その美しさが多くの人々を魅了してきた。
西湖は自然に出来た湖であるが、地図を見れば一目瞭然、自然ではない不思議な人工物に気が付く。湖の西側を南北にまたぐ堤、そして北側を東西にまたぐ堤。これらはもちろん人工物であり、南北にまたぐ堤は蘇堤、東西にまたぐ堤は白堤という。この二つの堤はきれいな道として整備されている。蘇堤は1090年頃、白堤は825年頃に築造された古い構造物である。
もともと西湖は南を流れる銭塘江の湾曲部分に、徐々に上流から流れ込む土砂、満潮の際に逆流する海水が運んでくる砂が堆積して湖となったものである。もともと美しい湖であったが、そのままにしておけば堆積により、やがて陸地となってしまう湖であった。西湖をここまで輝かせたのは千年以上にわたる杭州の人々の思いに他ならない。
【アクセス】
杭州蕭山国際空港より車で約30分。または「杭州」駅より車で約15分。
【地図】
googleマップで西湖の位置を確認する
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