蘇州は江蘇省の南東部、長江下流のデルタ地帯に位置する江南地方を代表する水郷都市である。北は長江に臨み、西は中国三大水湖の一つ、太湖に面している。多くの湖沼と網の目のような河川と運河が醸し出す美しい景観は、多くの観光客を訪れさせる。
13世紀後期、この地を訪れたマルコポーロが、故郷ベネチアに似た美しい都市と賞賛したことから「東洋のベネチア」と称されるが、歴史はそれより遥かに古
く、新石器時代にはすでに集落があったとされている。都市としてはBC514年呉王・闔閭が宰相の伍子胥に命じ、周囲23.5kmにおよぶ城壁と8つの城
門からなる城郭都市「闔閭大城」を築いたことに始まる。春秋時代(BC770〜BC221
年)後期には、呉の都・呉州として形が整えられた。さらに隋代の589年、文帝が江南に覇を唱えていた陳王朝を滅ぼすと、呉州は「蘇州」と改められた。こ
のように蘇州は、優れた景観だけでなく、2500年以上の年月を経た中国を代表する城郭都市としても名高い。
地区内の交通網や水路、住宅は、基本的に「一河一路」および「前街後河」で構成されている。「坊」と呼ばれる居住区が東西に長く連なり、一つ一つの坊は運
河で囲まれている。坊の南側を運河と陸路が、坊の北側を運河が東西に走っている。玄関前の運河と陸路は住宅へのアプローチに、北側の運河は炊事、洗濯など
の生活用へと使い分けられていた。
【アクセス】
「上海」より「北京行き」列車で約30分。「苏州」下車。
【地図】
googleマップで蘇州の位置を確認する
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