世界の土木遺産

ホイアン(ベトナム・ホイアン)
トゥーボン川から望むホイアン旧市街
■ 今も活気溢れる約180年前の古都の町並み

活き続ける木造の町並み「ホイアン」

遥かに続く街路樹と芍陂の堤防道路
■ トゥーボン川から望むホイアン旧市街

世界遺産であるホイアンはベトナム中部最大の都市ダナンの南方約30km、南シナ海に注ぐトゥーボン川の河口に位置する世界遺産に登録された古い港町である。ホイアンという地名が歴史に登場するのは16世紀末になってからである。
この地を治めたチャンパ王国(192〜1832年)時代、広南鎮守となった広南阮氏がホイアンを拠点に対外貿易に力を入れたことで、ホイアンには日本をはじめ多くの国々が来航し国際交易港としてさらに発展した。だが、河川による土砂の堆積が進み大型船が寄港出来なくなったことで、19世紀末には港の機能は失われ、町も次第に衰退していった。しかし、かつての栄華を誇った中国人の子孫たちは、古い家屋を先祖からの遺産として受け継ぎ、手入れをしながら使い続けた。この間、町には大きな災害もなく、戦禍も免れ、再開発されることもなかった。こうした幾多の奇跡が重なり合うことで、18世紀末に建てられた古い町並みと賑わいはそのまま残った。
現在のホイアン旧市街は海からかなり離れた場所にある。水深が浅そうな川沿いに簡単な岸壁がある姿からは、この町がかつては国際的港湾都市であったことを想像することはできない。
ホイアンの旧市街を散策すると、タイムスリップしたような錯覚にとらわれる町並みがある。そこには逞しく生活している人々の喧騒がある。そして歴史的な建造物と環境の中で大勢の人々が伝統的な生活を営んでいる。

【アクセス】
ダナン空港よりリムジンバスまたはタクシーで約1時間。

【地図】
googleマップでホイアンの位置を確認する

「Consultant」230号

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「土木遺産II アジア編」 <<コチラにも掲載されています。
「土木遺産II アジア編」
ダイヤモンド社刊

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