世界の土木遺産

サントル運河のボートリフト(ベルギー、ラ・ルヴィエール)
穏やかな時の中のサントル運河第3ボートリフト施設
■ 穏やかな時の中のサントル運河第3ボートリフト施設

土木遺産として生かし続けるために「サントル運河のボートリフト」

閑静な中にたたずむボートリフトNO.2
■ 閑静な中にたたずむボートリフトNO.2

ベルギーにあるサントル運河は、ムーズ川とエスコー川のそれぞれのドックを連結するために作られた運河である。しかし、その途中の街ドゥルーでは地形に67mの高低差がある。この高低差を解消し、この区間にも船舶を運航させ、ドイツからフランスへの直通幹線を実現するために4基のボートリフト(船のエレベータ)が建設された。これらのボートリフトは、稼働中の施設としては建設当初から世界唯一のものである。1888年から1917年の間に建設され、現在もその設備、機械室などがほぼ建設当時そのままに活用され続けている。
ボートリフトは、地形の高低差が生み出す水圧を利用してシリンダー式のピストンを上下させる構造となっている。材料は鋳鉄を基本として鋼を加え、じん性を高めるなどの工夫を行い当時の技術を結集して建設された。
建設当時の姿を残し活用していくためには、様々な技術や修繕等に対する費用と時間、人材が必要であり、そのための努力が地元の人々によって続けられている。
ヨーロッパ19世紀の運河建設、水運発達の1つの頂点を示す建造物であるボートリフトは、周辺の関係施設を含めた敷地全体が世界遺産として登録されている。

【アクセス】
国鉄ブリュッセル中央駅からモンス行ICで45分、 モンスから車で20分ほど。

【地図】
googleマップでサントル運河のボートリフトの位置を確認する

「Consultant」218号

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「土木遺産 ヨーロッパ編」 <<コチラにも掲載されています。
「土木遺産 ヨーロッパ編」
ダイヤモンド社刊

建設コンサルタンツ協会