祭り
〜非日常と祈りの文化〜
世界には多種多様な祭りがあり、
日本でも賑やかな行事などで「祭」という言葉が多く使われる。
日本の祭りの多くは、
神様を祀り、祈りをささげるための神聖な行事で、祭祀や祭礼とも呼ばれる。
神社における一般的な祭礼での神輿や山車などをはじめ、
様々な由来からなる祭りが日本全国で催されている。
2018年11月、「男鹿のナマハゲ」や「甑島のトシドン」などが、
「来訪神:仮面・仮装の神々」としてユネスコ無形文化遺産に登録された。
来訪神は、一年の節目に鬼の姿などで家々を回ることで、
人々に幸福をもたらすとされている。
これもまた祈りがこめられた日本独自の習わしであり、
世界から注目を集めている。
春には五穀豊穣、夏には無病息災や悪霊退散を祈り、
秋には収穫を感謝するため、日本中で祭が行われてきた。
災害の多い日本では復興を祈る祭りも多く開催されている。
「祈る」という行為は、
データに基づく調査、分析、設計、監理を業とする我々建設コンサルタントにとって、
その理念とは相反するものと言えるかもしれない。
しかし、土木や建築の起工時には工事の安全やその土地の繁栄を祈り、
地鎮祭を行う習わしは今も続いている。
それは日本人のくらしの中にある祈りの文化に由来するものだろう。
本特集を通して、祭りのもつ昔からの意味を知り、
非日常のイベントとして単に騒ぎ楽しむだけではなく、形式的に催すものでもなく、
祭りを日本独自の文化として再認識したい。
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