斜面のみせる顔
『斜面』は我々の周りにごく普通に存在し、
緩やかな斜面もあれば急斜面もあり、
自然のものもあれば人工のもの(法面)もある。
平地が少ない我が国では、
長年かけて棚田や段々畑として斜面を上手く利活用してきた。
その一方で丘陵地や低山地などで大規模な開発が行われ、
自然破壊や斜面災害を引き起こした苦い経験もある。
近年、地球温暖化によりその災害も大規模になり、
身近な斜面の安全を確保する必要性が高まっている。
機能中心から維持管理費がかかりにくい、
災害に対してしなやかで粘り強い斜面への移行も求められる。
今は斜面に自然らしさを取り戻す好機かもしれない。
普段あまり意識しない『斜面』の多様な機能・役割を喜怒哀楽の表情に見立て、
これからの斜面の姿、斜面との関わり方を示したい。
一人でも多くの読者が『斜面』に関心を持っていただければ幸いである。
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