変わりゆく動物園
幼いころ家族や遠足で訪れることの多い動物園。
大人になっても、子供や孫を連れてくることで
思い出を世代間継承する場にもなっている。
実際に動物の姿を見るという体験はどこか非日常で刺激的だが、
動物園はそういった『レクリエーション』だけでなく
『調査・研究』『教育・環境教育』『種の保存』の役割も担っている。
従来の動物園といえば狭い檻の中に動物が展示されていて、
どこかもの悲しさを感じることもあったが、
近年では自然に囲まれた環境に置かれ、
動物のいきいきとした姿を見ることが出来る動物園が増えている。
人間と同じように、
動物園で生きる動物の生活の質(QOL)の向上が求められているのだ。
これは、動物が精神的にも肉体的にも
健康で環境と調和していることをさす動物福祉の考え方である。
動物園での動物福祉の取り組みは広まりつつあり、給餌に工夫を凝らしたり、
動物の生態に配慮した展示や健康管理のためのトレーニングなどが行われている。
このように動物園は変わりつつあるが、
動物園からの働きかけのみでは実現が難しい場面もある。
多くの人が動物園の取り組みに気づき、
発信や寄付などのサポートをすることは追い風になるのではないだろうか。
本特集では動物園の役割や現状を整理し、変わりゆく動物園を伝える。
あなたに動物園で今何が起きているのかを知って欲しい。
そして動物園に足を運んで欲しい。
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