昭和の時代に経験した修学旅行は、
団体行動の受身の旅中心となることが多く、
振り返ってみると一緒に笑った学友たちの顔ばかりが浮かび、
旅先の風景や体験は既にかすんでしまっている。
より深い事前学習をしたり、旅先でも自発的に行動したりすれば、
もっと有意義な旅になっていたのではと今更ながら反省する。
2020年春、突然おそった新型コロナの大流行により、
全世界的に移動が制限され、旅することが難しい日々を過ごすこととなった。
しかし、それは改めて人間にとって
旅が不可欠なものであることを知るきっかけにもなった。
再び自由に旅ができるようになったこの頃では、観光主体の旅に加えて
個人銘々の知的好奇心を満たすイベントなどの旅も増えている。
『大人の修学旅行』と銘打った旅もあるそうだ。
テレビの旅番組や雑誌の旅特集に加え、
SNSによる個を主張する旅の情報発信なども増加し、
新たな体験や出会いを求めて旅をする人も増加している。
歳を重ね、興味の対象が拡がり、
見たいもの、知りたいこと、確かめたいこと、体験したいこと、
行きたい場所が増え、益々旅への欲求が高まる。
旅の多様なコンテンツやプログラムが提案される時代、
今こそ修学旅行のやり直しのチャンスなのかもしれない。
旅は私たちにとって絶好の学びの場でもあるのだ。
旅のきっかけはいろいろある。
自ら能動的に学び、積極的に行動して、
知的好奇心を刺激する旅に出かけてみないか。
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