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日本は世界有数の水族館大国である。
年間来館者数は3,000万人を超え、
国民の4人に1人が毎年水族館を訪れている。
水族館は、レクリエーション施設としてとても人気が高いが、
娯楽に加えて、調査・研究、種の保存、動物福祉、環境教育、
という複合的な役割を担う施設である。
近年では、実際の水辺環境をそのまま再現した水槽展示や、
自然に近い飼育環境下で生き生きと行動する生きものたちと
直接ふれあうことができる水族館が増えてきている。
水流の音、やわらかな光、生命の躍動―
水族館には、訪れる人の五感に働きかける空間体験がある。
様々な趣向が凝らされた空間では、海獣に餌を与えたり、
普段見ることのできない深海魚を見られたり、
地域の固有種や希少種をクイズ形式で学んだり、
水槽を泳ぐ魚たちを眺めながら、食事を堪能することもできる。
水産資源の持続可能性や生物多様性が脅かされている今、
老若男女を問わず、水域環境の変化を身近に感じ、
学ぶことができる水族館の存在は、
ますます大切になってきているのではないだろうか。
本号では、水族館ならではの“伝える技術”や、
地域社会と連携した教育施設としての
取り組みなどを解説することで、
水族館が持つ社会的価値の進化をひもとく。
表紙:のとじま水族館
撮影:松田明浩 |