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日本で最初に人々が生活の場に選んだのは、
山の麓や丘の上、静かな入り江の奥などだったという。
これは山や丘が海岸などと共に、水や食料の調達ができて
安全に生活できる場として知られていたからであろう。
しかし、稲作が伝わり、大規模な開発が行われるにつれ、
多くの人々が平野部に住むようになった。
その後、日本の国土の7割を占める山地、丘陵地での暮らしは
どうなっていたのだろうか?
現代の平地に暮らす人々から見ると
「なぜこのような場所に?」と思うような山中にも
マチやムラがある。
そこには自然環境に適応しながら、
それを巧みに利用してきた人々の力強い営みがあったのだ。
それは単なる山間の集落としてひとくくりにすることはできず、
産業・歴史・文化などの様々な背景をマチ・ムラごとに持ち、
その場所で成立し、存在してきた過程があった。
本特集では平地が主流となってからも
静かに存在し続けてきた日本の山のマチやムラを紹介する。
表紙:五箇山相倉集落
撮影:松田明浩 |