土木遺産XIII
〜ラテンアメリカ 古代文明から現代文明への転換を支えた土木技術〜
2014年のサッカーワールドカップに続き2016年にはオリンピック・パラリンピックが開催されるブラジル。
日本からは地球の反対側に位置し、あまり馴染みがないのかもしれない。
しかし日本からの移民も多く、海外移住組合法ができた1928年には
ブラジル、ペルー、メキシコを中心に累計で11万人近い移住者がいたとのことである。
マヤ文化、アステカ文化、アンデス文化、インカ文化など多くの人々を魅了する古代文明が栄えたラテンアメリカ。
この呼称は、アングロアメリカに対比されて使われており「メキシコ以南の北米大陸、カリブ海地域全域、
南米大陸全域の3地域とその周辺の島々で構成される33の独立国およびいくつかの非独立地域」である。
人口は6億1千万人(WHO 2015)、地表面積は世界の約15%を占める。
16世紀頃には、世界遺産に登録されているインカ道、
銀の道(エル・カミーノ・レアル・デ・ティエラ・アデントロ)が発達した。
また19世紀後半にはパナマ・コロン地峡横断鉄道やアルゼンチンのフェロカリル・オエステ鉄道等が建設された。
さらに1914年にはパナマ運河が開通し、効率的なネットワークが完成した。
この地域では古代文明の興亡や欧米からの支配と独立を経て
インフラ整備が経済発展のための重要課題となっている。
ラテンアメリカ諸国におけるこれまでのインフラ整備の歴史を紐解き、
今後の発展の道標を探してみる。
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