阪神・淡路大震災 1

JCCAの活動成果

阪神・淡路大震災1

災害種別・名称

地震
阪神・淡路大震災

体験場所・内容

自宅及び鉄道会社
鉄道構造物の被害調査及び復旧設計

体験者の専門分野

設計技術者

被災時の状況

  • 平成7年1月17日早朝、加古川の自宅にて、経験したことのない大きな揺れに襲われた。
  • テレビで、高速道路や鉄道の高架橋が落橋・崩壊している映像を見て我が目を疑った。その約1年前に起きたノースリッチ地震で高架道路が崩壊した時に、日本では大丈夫、と盛んに公言されていたのにまさかと思う無残な被害であった。

 

被災直後の状況

  • 加古川から勤務先の大阪までの線路はほとんど不通で、明日からどう出社しようか思案していたところへ会社から「クライアントから大至急復旧設計をお願いしたいとの要請なので明日(地震の翌日)行ってほしい」との電話があり、翌早朝加古川線を北上し福知山~京都経由で大阪駅へやっとの思いでたどり着いた。
  • 早速、鉄道会社へ出向き、先ず被害状況を調査し復旧計画を立案するための現地踏査から始めた。その惨状は想像を絶するもので、特に鉄道構造物のなかでも耐震性に有利と言われていた鉄筋コンクリートラーメン高架橋の鉄筋がむき出しになってグニャリと崩壊している光景を目の当たりにして俄かには信じられなかった。
  • 直ちに責任技術者として、崩壊した駅の新設設計や損傷した高架橋の復旧設計を担当し、連日の深夜に及ぶ設計協議、マニュアルの無い超短期間での設計作業を実施した。
  • 不眠不休の2ヶ月間のホテル生活であったが、「設計技術者として一日も早い開通に協力しなければ」という使命感に駆り立てられ、なんとか要請に応えることができた。

 

教訓

  • 土木構造物のほとんどは「地震の検討」で部材断面が決まる。設計は、関東大震災レベルにも耐えられるものといわれていたが、「あれから約70年間今回のような大被害が起きなかったので今後も大丈夫であろう」という思い込みによる錯覚があったと思われる。
  • 兵庫県南部地震は内陸活断層のずれによる直下型地震で千年~千五百年に一度起こるものと言われており、私がこれに遭遇したこと自体が歴史的なことである。耐震専門家でも一生遭遇せず、上記のような思い込みのままの人が多いのではないかと思う。
  • 上記のような超短期間での現地調査及び復旧設計に携わり、早期開通に少しでも協力できたと自負している。

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