2000年東海豪雨

JCCAの活動成果

2000年東海豪雨

災害種別・名称

洪水
2000年東海豪雨

体験場所・内容

愛知県春日井市
自動車帰宅時の内水氾濫・道路水没

体験者の専門分野

下水道技術者

被災時の状況

  • 降雨継続時間は9/11AM3時から9/12AM7時までの29時間で、9/11PM7時に時間最大降雨量97mm/hrのピークを記録、総降雨量は567mmに達した。
  • この豪雨は通常の台風や前線活動とは異なる極めて突発的な局地集中型豪雨であり、各気象官署でも事前予測がほとんどできず、災害史上に残る豪雨となった。
  • 体験者は当日午後7時ごろ、車で春日井市を経て名古屋市守山区方面へ国道155号を走行していた。国道155号は春日井市内のいたる所で冠水しており、止むを得ず南へ南へと迂回しながら、濁水を掻き分けて前の車に続いた。
  • 100年確率規模の滝のように叩きつける豪雨の真っ只中、警戒水位に達しつつある一級河川庄内川へ向かって、何の情報も無いまま、暗闇の中をただひたすら突き進むという、今にして思えば絶望的な状況であった。

 

被災直後の状況

  • 午後10時ごろ苦労を重ねて庄内川を南へ渡った直後、JR神領駅南の区画整理地内で道路の完全水没地点に到達、その先は一切通行不能であった。
  • この通行不能が分かったのは自分が通行止めの最先端にたどり着いた時であり、それまでは、大渋滞しながらもこちらへ来る対向車を見て、もう一息で何とか脱出できるものと思い込んでいた。(この時の愕然とした思いは今も忘れない)
  • 到達地点の水没水深は70cm程度、ヘッドライトがほぼ水没する状況であった。
  • そこに突っ込んだ車は全て1台ずつUターンして先ほど渡った橋をまた戻る以外になく、土砂降りの中、その往復で浪費した時間は2時間ほどであった。
  • エンストしたら最後、排気管からエンジンルームまで一気に水が浸入し、車はその場で走行不能になる恐れがあり、必死でアイドリングを維持していた。
  • 大渋滞の中、疲労こんぱいで別の橋へと向かい、何とか庄内川を再々渡河し、ようやく自宅にたどり着いたのは翌12日午前1時過ぎであった。

 

教訓

  • この突発的な集中豪雨の原因は、後に専門家の気象解析研究により伊勢湾上空から名古屋市にかけて南北に細長く発生した降雨帯(レインバンド)と呼ばれる特異な大気現象によるものと判明し、その10分間降雨連続観測データも入手できた。
  • 普段よく通るルートも自分自身には平時の道路情報しか蓄積されていない。災害時、まして迂回路へ入り込んでしまうと、夜間・土砂降りの条件下では方向感覚を失い、集団的孤立無援状態に陥ることを身をもって知ることができた。
  • 地域の消防、警察も管内の防災・住民救助が最優先であり、通過交通車両は規制の対象ではあってもそれを組織的に支援する余力はないことを、非常事態における客観的事実として認識する必要がある。(当時も通行止め現場に規制ロープが張ってあるだけで、橋の手前の迂回可能地点での指示誘導、情報提供は一切無かった)
  • 自分の居住エリアだけでなく、普段の自動車での行動範囲圏内についても、自分自身でハザードマップ的なものを整備・蓄積して内水氾濫箇所や回避ルート等の確認を行い、周りの人たちへも積極的に伝えていくことが、コンサルタント技術者として有事の災害に立ち向かう一つの重要な責務であると考えている。

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