雪国の暮らしを支える除雪
日本は世界有数の雪国であり、
古くから雪と共存する形で人々が生活している。
雪解け水を活かした水田利用や農作業、
その土地の歴史文化との関わり等、
雪は地域にとって重要な役割を有している。
「除雪」と聞いた時に、雪国に住んだことのない人でも、
除雪車による道路の除雪や建物の雪おろし等を、
目にしたことはあるのではないだろうか。
しかし多くの除雪は、
深夜や早朝など人々の生活が始まる前に行われるため、
雪国に住んでいても知らないことが多く、
除雪は、いわば『暮らしを支える影の立役者』的存在である。
近年、数年おきに発生する大雪に伴う
大規模な車両滞留や交通機関の麻痺等、
ニュースで取り上げられる場面もあり、
これらにはマイナスなイメージが付きまとうことが多い。
本来感謝されるべき除雪は、
今やできていて当たり前の社会インフラとして認識されており、
問題が発生した際には、
不満や苦情の対象になりやすいのも実情である。
そこで本特集では、普段あまり知られていない除雪に着目し、
除雪に対するマイナスイメージを払拭できるよう、
地域を支える技術やノウハウ、
地域再生等の新たな可能性にも光を当てることで、
雪国での雪との関わり方について、理解を深める機会としたい。
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