社会資本整備の意義

建設コンサルタントという仕事

(1) われわれの生活と社会資本

1)安全と安心を支える治水施設

写真 土砂災害から人々を守ってきた牛伏川フランス式階段工 わが国の国土は、国土面積の約10%に過ぎない洪水氾濫区域に人口の約1/2、資産の約3/4が集中し、ひとたび河川が氾濫すると甚大な被害が発生します。平成16年は梅雨期の集中豪雨や台風により、河川の氾濫や土砂災害などによる被害が多く発生し、死者・行方不明者が230名にも達しました。安全と安心を支える治水施設として、川の氾濫を防ぐ堤防の改修やダムによる洪水調節が必要です。

 

2)生活の利便性を支える道路整備

写真 人々の信仰を支えた熊野古道 山間部などの地域に住む人々は、救急医療の問題が大きな不安要因のひとつです。これまでの社会資本整備により高速道路網が構築され、短時間の内に大病院への搬送が可能となりました。また、災害時には救援物資や人の輸送が日本全国から必要となりますが、これを迅速に行うために道路網の整備は最も重要です。さらに、宅配便の翌日配達は非常に便利なものですが、それを可能にしているのは、道路整備延長が年々増えているからです。

改良済道路延長と宅配便の取扱個数

改良済道路延長と宅配便の取扱個数 グラフ

(資料:道路統計年報2001、(社)全日本トラック協会資料)

 

3)健康維持に貢献する上下水道整備

写真 軒先を小川が流れる萩のまちなみ 健康の維持にも社会資本の整備が不可欠です。例えば、下水道普及率の向上とともに乳幼児死亡率は低下しており、下水道整備が私たちの健康維持に極めて重要な役割を果たしていることがわかります。

(2) いまだ十分とはいえない社会資本

 わが国では、地震や水害、渇水等の自然災害は恒常的に発生しています。また、道路整備が進められて生活の向上や生産活動の高度化が図られている一方で、交通事故による被害者も絶えない状況にあります。
 わが国の社会資本の整備状況を諸外国と比較した場合、自動車1万台当たりの高規格幹線道路延長は1kmあまり、下水道整備率は60%強、河川の氾濫防御率も50%強であるなど、いずれも諸外国に比べて低い水準に留まっています。
 このように、快適な生活や安全で安心な生活、ゆとりある生活を営むという観点から、わが国の社会資本整備はまだまだ不十分であるといえるのです。