環境調査(かんきょうちょうさ)の仕事につくには?

建設コンサルタントという仕事

環境調査(かんきょうちょうさ)の仕事につくには?

環境調査の仕事は、どんな人に向いていますか?

「環境」というのは場所によってちがうし、出てくる課題(かだい)や解決(かいけつ)しなくてはいけないこともちがってきます。ほかの場所ではこうだったから、ここも同じようにすれば良いだろう、とはならないんです。いつだって一から調査をして、そのたびに新たな問題が出てきます。

だからどんな課題に直面したときでも、「なにくそ!」と立ち向かっていけるような人がいいですね。「必ず解決策(かいけつさく)を見つけるぞ!」と思えるような、負けずぎらいな人が向いていると思います。

また、クライアントや協力会社の人たち、社内のほかの部署(ぶしょ)の人たちなど、さまざまな人たちといっしょに仕事をします。ですから、人ときちんとコミュニケーションがとれることがとても大事。ぼくは人とつきあうより、自然(しぜん)や動物のほうに夢中(むちゅう)だったので、人とのコミュニケーションはちょっとあとまわしになってしまいましたけど(笑)。
相手の言うことをちゃんと聞いて、思っていることを理解(りかい)して、自分の考えもわかりやすく伝えるように努力しているところです。

もし、こういう仕事に興味(きょうみ)があるなら、いろんなところに出かけていって、自然とふれ合う機会をたくさんつくっておいてほしいです。

キャンプに行ってみるのもいいし、近くの川でつりをしてみるのもいいでしょう。
自然のすばらしさをはだで感じとっておいてください。

それから、基礎(きそ)体力も必要ですよ。現地調査はかなり体力を使いますからね。

現場での調査は体力勝負! 荷物をかかえて急な坂道を登り降りしたり、ゴツゴツした石の上を歩いたり。 現場での調査は体力勝負! 荷物をかかえて急な坂道を登り降りしたり、ゴツゴツした石の上を歩いたり。

ぼくの会社の先輩(せんぱい)たちは足腰(あしこし)がものすごくじょうぶで、どんなにけわしい山道だってスイスイ登っていきます。
ぼくは子どものころから山を走り回っていたし、野球部できたえていたので体力には自信があったのですが、先輩たちには負けそうです(笑)。

 

中坪さんのこれからの目標は何ですか?

目の前の目標としては、一人前の「技術士(ぎじゅつし)」になることです。技術士は国家資格(こっかしかく)で、技師(ぎし)としての実力をみとめられたというあかし。仕事をするとき、責任のある立場につくことができます。7年の実務経験(じつむけいけん)が必要なので、ぼくはまだ受験できませんが、合格を目指して知識(ちしき)と経験をしっかり身につけていこうと思っています。

また、環境調査は長い年月をかけて調べることが多いんです。ぼくが今、手がけている調査も、先輩たちが始めたもの。ですからひとつの調査に、最初から最後までずーっとたずさわってみたいですね。何十年か先に、「もうだいじょうぶ、これ以上、調査しなくてもいい」という判断(はんだん)を下して、最初のころはああだったな、あそこでは苦労したな、と思い返してニヤニヤしたいです(笑)。

最近はどんなものをつくるにしても、必ずクライアントから「どれぐらい二酸化炭素(にさんかたんそ)が出るの?」と聞かれたりします。やはりみんな、環境問題にびん感になってきているんですね。
でも、まだ歴史が浅い分野なので、ぼくがそのプロフェッショナルになれたらいいなと思っています。社内で「鳥類(ちょうるい)のプロフェッショナル」といわれている人は、その地域の航空(こうくう)写真を見ただけで、どの鳥がどのあたりにすんでいるか、だいたい判断できるんですよ。本当にすごいと思います。
ぼくもいつか、環境調査ではだれにも負けない、という存在(そんざい)になるのが一番の目標です。

中坪さん、どうもありがとうございました!

 
取材日:2018年9月14日、20日
取材/文:石井美佳(アイプランニング)/撮影:斎藤秀明(Gakken)/
写真提供:株式会社建設技術研究所
協力:学研キッズネット
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